Culture conditions
人間の細胞 × 魚由来の血清
魚の細胞 × 人間由来の血清
人間と魚の細胞を交互に培養
Installation view / Photo: Yuki Kobayashi
Installation view / Photo: Yuki Kobayashi
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Detail / Photo: Yuki Kobayashi
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Detail
Process
日本各地には、人魚の肉を食べたことで老いることなく800年を生きたとされる「八百比丘尼」の伝承が残されている。
そこに描かれる不老不死は、必ずしも祝福ではない。死ぬことができず、大切な人々を見送り続ける孤独や苦しみとして語られてきた。
一方、現代では、細胞培養や再生医療をはじめとする生命科学によって、身体を維持し、老いや死を遠ざけるための研究が進められている。
かつて物語の中で恐れられた「不死」を、人間が自らの技術によって実現しようとするとき、それは何を意味するのだろうか。
私自身は、不死になりたいとは思わない。それでも、もし本当に不死になれるものが目の前にあったとしたら、それを拒むことができるのだろうか。
本作では、伝説の中にしか存在しなかった「人魚の肉」を実際につくろうとすることで、私たちはなぜ生を延ばそうとするのか、その欲望そのものを問い直す。
「人魚」という存在を細胞培養によってつくるため、本作では細胞の種類と培養環境の組み合わせを操作している。
人間と魚という区分は、細胞そのものによって決まるのか。それとも、その細胞を取り囲む環境によっても変化し得るのか。
本作では、3つの培養条件を設定した。
これらを人型・魚型・人魚型の容器で培養することで、「人間」「魚」「人魚」という区分がどこに成立するのかを、細胞というスケールから検討している。
人魚の肉を食べることで不老不死になるという伝承と、現代生命科学が目指す生命の延長を重ね合わせたことが、本作の出発点となった。
不老不死は古い物語の中だけに存在する空想ではなく、身体や細胞を長く維持しようとする現代の技術にも連続しているのではないか。
そこで、伝説上の存在を生命科学の技術によって再現することを考えた。
「人魚」を単なる人間と魚の形態的な合成としてではなく、細胞と培養環境の組み合わせから生成される存在として考える。
人間の細胞、魚の細胞、それぞれに異なる培養条件を与えることで、人間と魚の境界を操作し、その中間に「人魚」という存在をつくることを試みた。
人間の細胞と魚の細胞を用意し、細胞と血清の組み合わせが異なる3種類の培養条件を設定した。
それぞれの条件を人型・魚型・人魚型の培養容器に対応させ、ゲル状の培地の中で育成する。
完成した物体を展示するのではなく、展示期間中も細胞が生存し、変化し続ける状態そのものを作品として提示した。
細胞の組み合わせを比較する3つの培養条件を設定し、それぞれを人型・魚型・人魚型の容器として展示する構成にした。
人間の細胞 × 魚由来の血清
魚の細胞 × 人間由来の血清
人間と魚の細胞を交互に培養
3つの条件を、人型・魚型・人魚型の容器に対応させる。
ゲル状の培地の中で細胞を育成し、展示期間中も培養が続く状態を作品として提示する。